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東京大学の中原淳先生のブログ「海外勤務から帰ってきた人が「離職」する理由とは何か?」を読んでいたら、以前、人事制度構築をサポートした企業でのある男性管理職の一言を思い出しました。その会社は、いわゆる年功序列型の人事制度で、育児休職者や復帰後の人事評価について議論をしていたのですが、日本企業に多い、育児休職中=仕事をしていない=スキルアップしていない・成長していない=評価は据え置き=同期から遅れる、という定説に対し、「じゃぁ、会社の研修派遣で海外留学とかはいいの?仕事に直結しないのに評価上がるじゃん(笑)」と、投げかけたのです。私自身は外資系出身なのでそう思っていますが、年功序列型で留学経験のあるエリート管理職の口から出たことにとても驚きました。

その会議は、いわゆる長期傷病者やハンディキャップを持った方などの評価の在り方にも及んだのですが、つまりは多様な状況の社員が前提での「評価軸を会社が定めていない」→「人事評価する権限者も評価の方法がわからない」→「そしてそれで会社組織が(何とか)成り立っている」に尽きると思います。既存の人事評価の手引きは、金太郎飴が順調に育つための物差しにすぎません。

中原先生のブログにある海外勤務は規模の大きな仕事かもしれませんが、今まで自社の評価軸の世界観しかなかった人が、他の新しい評価軸や世界観に出会い、その後の自分の仕事の向き合い方に迷う部分は、海外勤務後も育児休職復帰後も同じだと思います。最近ますます育児休職からの復帰者に対するフォローアップについての研修など行う機会が増えていますが、参加者の顔ぶれによってはこの海外勤務の話も必ずさせていただいています。そして大いに混乱し悩んでもらっています(笑)

子育てからの学びはとても大きいと仰る方も増えました。優秀な人材獲得のためにも、子どもを社会で育てる文脈からも、育児休職時も100%手当を支給する企業まで現れ始めました。どの企業もそのようになるべきとは思いませんが、改めて自社の人事評価を、育児に関する部分だけではなく、じっくり検討する時期に来ていると思います。

金太郎飴用の人事評価制度を変えるのは、このタイミングしかないと思います(^O^)/